吉本精樹@友活です。
◆先日、久しぶりに旧友と飲む機会がありました。聴けば数年前に奥さんを亡くした
そうです。その後の数か月は何もする気が起きなくて平日は仕事に行くものの週末は
自宅に居ても気が晴れないので毎週、グループ旅行のチラシを見ながらバスや列車で
どこかへ行く・・ということが今でも続いているということでした。
それほど彼の悲嘆は深く、心の痛みは永く永く続いているようです。
◆そんな彼が次のようなことを話してくれました。
良く利用する旅行社は大体1社に絞っているようなのですが、お盆休みも正月休みも
他の週末より少し長めのツアーに出かけた時のことだそうです。
バスに乗り東北を目指す旅の当日、出発のバスターミナルには彼(50代前半)以上の
年配の方が沢山いらっしゃって彼は中でも一番若い参加者でした。
そしてバスに乗り込み、お隣さん(未知の人)と会話するでもなく目的地に向かいます。
その夜は着いた宿で食事を摂り、一人一人が押し黙って黙々と食べ、そして部屋に戻り
一人で温泉に浸かる・・・そんな初日でした。
◆想像すると寂しい旅が益々寂しさを増します。翌日も昼間は周囲を見て回って宿に
着きました。そして夕食です。その席で一人の70代の男性が声を上げたそうです。
「皆さん、こうして旅で出会ったのも何かの縁です。一人で食事をしても美味しくありません。
どうでしょうか、ご希望の方だけでもビールなどを持ち寄って楽しく食べませんか」
結構、勇気が要りそうな行動ですね。すると直ぐに何人かが、いいですね・・と呼応し
数人の輪ができたそうです。彼(友人)は本当に嬉しかったと言っていました。
◆こうした70代の男性のような方が居れば問題ありませんが、多くの場合はファシリテーター
は不在ですね。旅行社のスタッフの方がコーディネートしてくれると良いのですが、そんな
話は未だ聞いたことがありません。旅先でも見知らぬ人と友活が出来て、帰り着いたころには
大人しくて人に声を掛けたくても出来ない人が笑顔になって話し相手を見つけている・・・
そんな旅が増えると嬉しいですね。特に男性の需要が多いかもしれません。
旅行会社の方が挑戦いただければ旅のリピーターも増えるかもしれません。
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